ずぅ~と前からストックしていた映画「劇場」を、ようやく見ました
切っ掛けは「恋愛映画を見たい!」では無く、「又吉直樹さんの作品が見たい!」です
大抵の人は前者の「恋愛映画を見たい!」だと思いますが、自分はズレていますので・・・
公式
スタッフ
原作:又吉直樹
監督:行定勲
ジャンル:恋愛
上映:2020年7月
感想(恋愛映画として)
主人公:永田(俳優:山﨑賢人)と、ヒロイン:沙希(俳優:松岡茉優)2人の物語が描かれていて、
トキめき一杯・夢あふれる「この後どうなるんだろう?!ワクワク♪」の映画とは、一線を画する作品です
心の小さな揺らぎや、おぼつかない気持ちを、俳優の演技力で苦しい程に見る人の気持ちを鷲づかみにします
見ている人は「そうじゃないよ!こうだよ!」と、応援したくなる気持ちなのに、
身勝手な永田の存在に振り回される事でしょう
感想(主人公:永田)
端的言うと主人公の永田は「社会不適合者」です
群れる事はせず自分のやりたい様にやるタイプで、身勝手な性格です
がっ!「何か憎めない」と言うか・・・モノローグ(独り言)を聞くと、解る気がしてしまい
腑に落ちないが「まぁ~それはそうだな」の、気分にさせられてしまいます
多分、見ている人が男性か女性かで、かなり意見が分かれそうです
感想(ヒロイン:沙希)
永田に魅了された沙希
感性豊かで底知れない優しさと何でも受け入れてしまう強さを持つ、
一線を越えたら硝子の様に弾けて壊れそうな心を持った女性です
独特の感性を持っていて、永田の才能に期待を抱き、そばに居続けてます
当然永田を愛しているでしょうし、自分の気持ちを永田にも受け取って欲しいと思っています
感想(友人:野原)
永田を理解している数少ないであろう友人が野原(俳優:寛一郎)です
(個人的には友人では無く、親友だと思っています)
永田に刺激を与え劇団を一緒に立ち上げた当人でもあります
男同士の友人である為、余分な事は一切言わず(言わなくても解る)
本当に口にしなければ行けない時だけ、自分の言葉で話します
永田の身勝手さを理解しており、期待通りの答えが聞けなくても見捨てる事はしません
ただ、どうしよもないヤツだとは思っているでしょうけど
感想(劇団員:青山)
「その人の為ならば、言うべき事は言う」そんな女性が劇団員:青山(俳優:伊藤沙莉)です
多分その性格上、損をする事があったと思います
永田に沙希の事も真剣に考えて欲しいと思い、様々なアプローチで上手く力添えをしてくれます
その力添えを永田は想像絶する感性で答えます
見ていると「どうしたらこんな答え方が出来るんだ!あなたの生い立ちを教えてくれ!理解に苦しむ!」
そんな気持ちにさせてくれるのが永田です
でも何故かこんな身勝手振りを見せられても、人を魅了させる不思議さが永田にあります
感想(日常の演出)
2人の暮らしぶりは凄く自然で、演出の為の演出・演技の為の演技は一切無く、
空気感や生活臭が感じ取れる素朴さが映画「劇団」の特徴です
「これは本当に演技なのか?!」と、思いたくなるリアリズムがあり、多くの人はその事にすら気づかぬ程に
映画に飲み込まれてしまうでしょう
自分も1度目は完全に飲まれていました、感想の為に何度か見直してやっと客観的に見る事が出来た程です
終わりに
映画として評価されても、制作者側の評価が無さそうな映画だと思いました
これは決して制作者側が下手だから故の評価無しでなく、
見る人は映画「劇団」に飲み込まれて、制作者側の存在が掻き消されてしまうからです
監督や脚本、はたまた原作者の癖や印が映画全体で見当たらない様に思え、
見る人に雑念を与えない作品に仕上がっています
結果、映画は評価されても、制作者側は評価無しに至ってしまうのです
映画関係者や玄人には評価されるでしょうけど、一般の方に評価されるのは先に思えてなりません
寂しい事に思えますが、ある意味最高の評価に思えます
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