「ゴジラ-1.0」見ました
やはり特撮を見て育った世代の映画監督作品は良いですね
「シン・ゴジラ」の庵野秀明監督・「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督、両方とも安心して楽しめる作品です
両作品とも監督の個性が作品に投影され、同じゴジラ映画なのに別の作品の様な違いがあります
どうしてもシリーズ映画はマンネリ化してしまうので心配でしたが、露程も感じさせない良質な両作品です
公式サイト
スタッフ
・原作 : 山崎貴
・監督:山崎貴
・ジャンル:怪奇・アクション・ファンタジー
・上映:2023年11月3日(日本)
舞台は戦後の日本
戦争の傷が癒えない中、必死に暮らしを営む人々に追い打ちをする生物「ゴジラ」
今回のゴジラはこんな「やなヤツ(怪獣)」です
この頃の日本はまだ、軍隊を持っていません(法的にも軍備的にも)
いったいどうやって対処するのか、政府だけでなく民間も知恵を出し合って協調し挑みます
何も無い時代はまさに「知恵」、そして知恵の源である「人」が唯一の武器です
今の暮らしの中では物がありふれており、それなりに資金力もあります
でも戦後の日本はその肝心かなめな「物資・資金」両方が無い訳ですから、
今で言う所の「無理ゲー」です
でも協調して一つ一つ解決して行く様が、見ている人達に「逞しさ・生への貪欲さ」を
見せつけます
この時代の人々の「バイタリティー」は、今の我々には遠く及ばない気がします
戦後の人々
「戦後の人々」と一言で表しても、実際には「戦前・戦中・戦後」と生きている同じ人々です
今を生きる人々は歴史的感覚で、分割して考えてしまいます
ですがあの時代を生きていた人々には昨日の事であり、今より前の出来事です
戦後を生きている人々は戦中の記憶があり、戦後もそれを背負いながら生きているのです
その感覚をこの映画「ゴジラ-1.0」では、要所要所で伝わって来ます
時には理解出来ない心境がありますが、全て理解しようとするのも烏滸がましい気がします
このセンシティブな心境を作中に目立た過ぎずに、娯楽映画としても成立させる手腕は監督の力量でしょう
主人公:敷島 浩一(神木隆之介)かみき りゅうのすけ
主人公役は神木隆之介さんです
過去に彼が出演した作品で、ドラマ「SPEC」・映画「るろうに剣心」・アニメ「天気の子」以来の拝見になりました
自分のイメージだと、彼の役柄は
「才能に恵まれているのだけど、どこか善悪の曖昧な、もしくは混ざった危うい素質の人物」役が
多い気がします
今回の敷島浩一役も、彼のそのイメージに沿った感じでした
終わりに
終わりに・・・これは推測なのですが、
山崎貴監督はアニメ映画「オネアミスの翼」をご覧になった事があるのでは?
と、思いました
劇中で登場する戦闘機「震電」、これと同じ構造の前翼型の戦闘機は、
「オネアミスの翼」でも登場します
他にも「ゴジラ-1.0」の劇中で数秒ですが、「ニキシー管」が映し出されています
これも「オネアミスの翼」で描かれています
そして主人公の敷島と大石の会話のシーンで、障子に窓枠の光と影が投影されており
その形は十字模様です
映像の中心に映し出されている事から、意図的な構図だと思います
この演出は、庵野秀明監督の作品である「エヴァンゲリオン」のシーンで見られます
アニメ映画「オネアミスの翼」はスタッフに庵野秀明監督が参加しています
37年前のアニメ作品ですが山崎貴監督の年齢からすると、見ていても不思議では無いです
両監督とも年齢が近いですし、
お互いの作品が影響しあってシナジー効果を生んでいるのかも知れません
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